戦世(いくさゆー) 511

2020年04月29日 12:00

南城市佐敷仲伊保 慰霊碑
海沿いの埋立地、
冨祖崎公園の一隅に佇む仲伊保の慰霊碑

沖縄戦の慰霊碑について記された書物は幾つかあるが、何れも出版より星霜を重ね、中には失われた碑もある。 また、住居表示の変更により、旧番で記された慰霊碑の位置は役をなさない。 そこで足を向けるのは地域の公民館、次いで公園や拝所へ向かうのだが、大概は公民館の近隣に位置し、人に尋ねるまでもなく発見に至る。 しかし時刻によっては、容易でないこともままある。

この時は春先の夕刻、外は明るいものの家並みからは夕げの香が漂っている。 無人の公民館を後にして、地図上の緑地へ車を巡らせた処、僅かに見えた自然石に慰霊碑であろうと気付いた次第であった。
場所は冨祖崎公園の北橋、昭和30年代に埋立られ、地図に拠れば慰霊碑周辺までが仲伊保に属している。

県の資料によれば、碑は昭和40年6月 自治会によって建立され、389名の戦没者が祭られている。 一方で碑の背面にjは、昭和63年に建立された旨が刻まれており、遷移、或いは改修されたものと考えられる。

 慰霊碑
自然石に金文字で記された慰霊碑
刻銘版には戦没者、軍人軍属48の氏名、他50余名と刻まれている。


 景色
左手には慰霊碑に纏わる歌碑、右手には祠が鎮座する。
因みに県の平成24年調べでは、仲伊保花振原175-2に所在するとされ、そのいい加減さが覗える。

※地図は
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