2020年09月02日

碧血の島 41

防災の日 2020年(後篇)
関東大震災に因む日本の記念日であり、
 災害についての啓蒙を深める日。

関東大震災に潰えた浅草十二階、凌雲閣は、再建されることもなく跡地は劇場となった。 更に戦後、浅草公園は東京都より所有者の浅草寺に返還される。 寺は、浅草4区附近(凌雲閣跡を含む地域)の土地を売却、空襲で焼失した本堂再建の資金とした。 浅草公園は消え、附近は商店街へと姿を変えたが、今もって近隣でその名を見る機会がある。
一方の凌雲閣は、33年の短い生涯を終え、記念碑(H16)に姿を変えた。 しかし日本最初の高層建築として、或いは震災に於ける悲劇を語る際、度々引き合いに出される、姿なき歴史的建造物となった。

「凌雲閣遺構発見」新聞の地方欄に掲載された記事は、この様な小見出しであったと記憶する。 地図を見ると、記念碑の位置から外れた場所であった。 更に調べると、昭和56年の発掘調査でも、正確な位置は掴めなかったと云われ、崩壊より僅か60年、事実上幻の建造物となっていた。 

そして閑散とした休日の工事現場を覗いてみると、それらしいレンガ積みが2ヶ所、土留めの支保から見える。 既に基礎コンクリートが打設され、遺構の基礎コンクリートは見えない。 数枚を画像に収め、次いで天を仰いでその場を後にした。

 凌雲閣遺構
当時のレンガ積みが露出している。
取り除かれたレンガは希望者に配られ、多くは廃棄されたそうだ。
凌雲閣遺構

 凌雲閣跡
浅草ビューホテルの見下ろす街路に、今やその様相は想像もつかない。
凌雲閣跡

※地図は 碧血の島 40 追記をご覧下さい※


タグ :東京都

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Posted by 酉 at 12:00│Comments(0)雑 文
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