2013年05月08日

忘れられた激戦地 229

宜野湾市我如古 我如古南高地 11
我如古集落の南、宅地の合間を抜ける渓谷、
比屋良川沿いに遺る迫撃砲中隊の砲座と壕群。

半ば埋もれた掩砲所(壕)、そして砲座跡と思しき台状の高み、その辺りを確かめて後、再び断崖下を東へと向かう。 その砲座跡より下った先、草葉の陰に見通した先には何やら黒いモノが見える。 迫り出した岩盤の下、斜からは見辛いものの、それは目的地とした大型壕、件の報道にあった壕である事は間違いなかった。 時計は正午を指し示し、雑木に踏み込んで後、既に2時間近くを経過。 迂回行程はあったものの、僅か1,000メートル足らずを抜けるのに、思いの外に多くの時間を費やしていた。

開口する壕口は2箇所、何れもが略南を向き、四角い坑道は断崖より直角に北へ掘進する。 その開口は左手、西側の壕口は高さ1.8メートル、幅2メートル程度。 それに対し右手、東側の壕口は高さ/幅、何れもが1.5メートル程度と、若干小さめに掘開されている。 壕の設けられる断崖、その地質はクチャの模様であり、壕の構築にあたっては比較的容易であったと思われる。 断崖を見上げれば、頭上にはニービの岩盤が迫り出し、これが敵弾を遮る掩蓋であると同時、雨水などの降り込みを防ぐ庇としても機能している。

肩の荷物を降ろし壕内を検める準備をするが、その前に壕口傍らの壁面、クチャに刻まれた文字に目を向けた。

 二基の壕口
西方より臨む、棲息壕であったと思われる大型の壕口。
壕口左手には刻まれた文字が残り、60余年を経過する風化は少ない。
忘れられた激戦地 229

 壕口上部
クチャの土質を穿った壕口、その上部にはニービの堅牢な岩盤が迫り出す。
忘れられた激戦地 229



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