2010年05月31日

沖縄での余暇 10

沖縄市中央 ニューヨークレストラン
云わずと知れた、老舗のレストラン。
かつて、中央パークアベニューの一隅に在った。

見慣れた店舗にシャッターが降り、看板の消えた景色には、現わし様の無い空虚を覚える。 足繁く通ったお店であれば、それは尚更の事。 老舗と云えども、時の流れ、人の流れには抗えなかったか。
中央パークアベニュー、旧称BCストリートと呼ばれ、米軍統治時代からの飲食店街。 BCストリートは「Business Center」の略称であるが、隠語では「Bring Cash」とも称され、進駐軍相手に現金収入を得る為の様々な「仕事」の場所として繁栄した。

ニューヨークレストランは、1950年に開店し、BCストリートの歴史と共に歩んで来た。 いわゆる「Aサイン」の時代から営業し、看板メニューは当然の事「A/B/Cランチ」の三種類。(本当はステーキです) 観光案内にも掲載され、その時節には多くの客が来店した。 しかし、残念ながらこの数年は、BCストリートと同じく活気は衰え、昭和の末頃と比べれば、閑散としていた。

コザでの常宿が至近ながら、「マシン屋」の閉店と相まって、ここ数年、周辺には縁遠くなり、年に2~3回程度しか行かなくなっていた。 2008年秋の事、片降りの雨の中、早めの昼食を摂ろうと赴いた処、外された看板に、硬く閉ざされたシャッター、湧き上がる寂寥感。 一時代の終焉が、そこには佇んでいた。
閉店近くに、いつも「Cランチ」を注文し、甘いアイスティーを飲んで帰る客に、好奇の目を向けてくれた店員さん。 売り上げに貢献出来なかったのが、今となっては心残りなり。

 ニューヨークレストラン跡(2008年10月撮)
悲喜交々を見てきたお店も、今はシャッターが硬く閉ざされ、かつての栄華は見られない。 近所に数多くあったライブハウスも、櫛の歯が欠ける様に減り、夕暮れ時にネオンが輝くお店も少なくなった。
沖縄での余暇 10

 ニューヨークレストラン跡(遠景)
アーケードの上には、BCストリート、Aサイン時代の名残りが読み取れる。 薄れ行く記憶を辿るように。
沖縄での余暇 10
 



タグ :沖縄市

同じカテゴリー(余 談)の記事
沖縄での余暇 37
沖縄での余暇 37(2017-02-05 12:00)

沖縄での余暇 36
沖縄での余暇 36(2014-09-28 12:00)

沖縄での余暇 35
沖縄での余暇 35(2014-06-02 12:00)

碧血の島 15
碧血の島 15(2013-11-24 12:00)

沖縄での余暇 34
沖縄での余暇 34(2013-10-23 12:00)


Posted by 酉 at 12:00│Comments(0)余 談
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。