2010年01月16日

開発の影で消える戦跡 13

那覇市おもろまち 安里△52高地 5
那覇市新都心 ゆいレール おもろまち駅 の南西に位置する高台。
高地一帯の戦没者を弔う慰霊塔。

安里△52高地(安里配水池)の東南東に位置する、琉球山 法華経寺に建立されている慰霊塔。 安里△52高地周辺での戦没者を敵味方の別なく祭っている。

つい昨年の事、安里配水池へ赴いて周辺を展望した際、卒塔婆の様な標柱を目にした。 金網に近寄って目を凝らすと、墨も鮮やかに「シュガーローフ云々」の箇所が読んで取れ、戦没者慰霊塔である事が判った。 今は獣道も消えて、おもろまちから行くには、安里三叉路方向へと大きく迂回しなければならない。 しかし、義を見てせざるは云々の例えではないが、泊、高橋町、祟元寺と廻り、その後にお寺へと訪ねていった。

お寺さんに用件をお話すると、快く案内して下さった。 手向けるものも無く、心ばかりの一礼をしてから写真に収め、お礼を伝えて辞去しようとした所、住職さん直々に、お茶一服のお誘いを下さった。 宗教絡みは遠慮したい所。されど、それは全くの杞憂に過ぎた。

以前から、このお寺さんの存在は知っていたが、立派な門構やお堂も見えず、失礼ながら変わったお寺さんとの認識を持っていた次第。 お邪魔する事になろうとは、いささかも思い有らず。
お話をしてみると、やはり変わった方か、尋ねる者も稀有な中、同類に思われてお声を掛けて下さったと思ふ。 篤志の方とは皆人紙一重、煤こけた輩には見分けも難しいものと痛感した。
縁あってこの地に寺を開いた由、知らぬ顔では止まれずに建立したとの事。 広大な地域ではあるが、変わり果てた周辺の地、昭和20年5月に於ける戦没者を敵味方の別なく供養している。
機会があれば、都度、訪れたい処となった。

 安里配水池を背に佇む慰霊塔
四方には「南無妙法蓮華経 沖縄戦シュガーローフの戦いに於ける一切の戦没者之英霊追善供養」と記される。 行政には、興味の無い事か。
開発の影で消える戦跡 13

地図はこちら

 琉球山 法華経寺の敷地内にあります


タグ :那覇市

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Posted by 酉 at 12:00│Comments(0)慰霊碑
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