2012年02月25日

開発の影で消える戦跡 114

浦添市前田 消え行く戦跡 1
開発の進行する浦添市前田の一隅。
区画整理に消える緑の森、そして戦争遺跡。

既述の 浦添市経塚 真知堂 地区と共に、市による土地区画整理事業の進行する前田地区。 県道153号線、同241号線に囲まれた一帯を浦添南第一地区と称し、平成4年度に事業着手。 平成25年度の施工完了、これを目標として計画は進んでいる。
具体的な区画整理事業に興味などないが、浦添にお住まいの有志の方からの情報で、近々更なる造成が開始されるとの事。 場所は浦添前田の南寄り、国際センター前の丘陵地帯。 原野と云うに相応しく、人も寄らぬ傾斜地に、亜熱帯の雑木はことごとく繁栄。 時折通り掛かっても、谷あいに沿う道路からも眺望は全く利かず、緑の被覆、その下には何が在るか、それは知る由もない事であった。

昨年6月の事ではあるが、その要所を踏査。 一部では、既に有志による捜索作業を行っており、戦時の壕が人知れず遺され、或いは埋没壕の入口を確認していた。
この年は、近年にはめずらしく沖縄近海を台風が通過。 前月の5月には台風2号(201102)が本島を直撃し、農作物を中心に甚大な被害を被っていた。 特に5月28日の風候は凄まじく、最大瞬間風速は50m/Secを超越。 西から北寄りの暴風(ビューフォート/Beaufort scale では颶風/Hurricaneと表記)は斜面の木々を剥ぎ取り、梅雨明けの時候にしては木々の緑、下草は冬場の如き有様。 盛夏を前の作業、労苦の絶えぬ時季ながら、天災も僅かながら利した、この時はそう思った。

 造成前の前田地区
丘陵の南斜面、眺望の利く位置より南東方向へ望む。(2011年6月撮)
左手には谷間、それに沿って道路が巡るも、緑に覆われて何も判らない。
開発の影で消える戦跡 114

 同西方
赤い建屋は沖縄国際センター、その背後に前田配水池のタンクが見える。
この国際センター位置にも戦闘開始前、数々の壕が構築されたと云うが、今は埋め潰されている。
開発の影で消える戦跡 114



タグ :浦添市

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Posted by 酉 at 12:00│Comments(0)景 色
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